『今、そして』
2004年6月13日第1章
〜記憶の底〜
…行くのか?
えぇ
直ぐに応えた。雨の降り頻る寒い日だった。
初夏。深い溜め息をついた綜瑠は外を見た。
…
見慣れた風景が今日も広がっている。世界は何一つ変わっていない。快晴。
随分長いあいだ、夢をみていたのか…タオルを取り、浴室に滑り込んだ。
音は無かった。静かな時間だけが回っていると思っていた。森閑な空気、斜めにさしこむ光が辺り一面に輝きを与えていた。
軽めの朝食、上は古着屋で買ったTシャツ、時計。
変わらない。
時間に気付いた時から全ては始まっていた。今も、これからずっと先のことも…
電車の任意に聞こえる音の連続に適度な安心感を覚え、いつも降りる駅で降り、いつも寄るコンビニに寄る。授業は定刻に始まり、いつもの先生の声が聞こえ、なにやら意味不明な理論や定義について熱を注いでいる。
時として人間はその人生について深く考える。今自分がそうなのだろう。この世の恒久な輪廻とそれを取り巻く運命と言う名の歯車が互いに引力で強く結びついている。
今この瞬間においても。。。
すべては無常なのだろうか。健も変わってしまった。李癒もあの事件をきっかけに…
無夢もあの頃は埴輪だったのに、今では有田焼に。変わり過ぎだと思った。名前を有夢に変えるのかとも。。。
でも、変わらないものもある。
『CD値を極限まで絞り込んだボディは凹凸の無い平坦なフォルム…stoicなまでにnarrow & gull…』
CD値が空気抵抗に関するものだと教えてくれた李癒…
今はFATEが良いと言う。浮気っぽくなりやがった。
今までに最も売れたのはFATEだ!!
健は言った。どこからこんな知識を得てきたのか今でさえ不思議だ。DQ5が150万枚売れたことを知っていることとは訳が違う。
もう太陽は傾きがかっていた。今日も暑い。
ハミング、何ソレ?
距離だよ、隣で健が呟いた。
平凡な毎日。ベルリンの壁。001。戻らない時間。
今日も一日が終わる。二度と繰り返されない今日。急に時間か加速し、不安と共にある種の感情の津波が震度6強の地震に伴って全てを飲み込んでしまう。
眠りに落ちるまでの時間が永遠、綜瑠は瞳を閉じた……
〜記憶の底〜
…行くのか?
えぇ
直ぐに応えた。雨の降り頻る寒い日だった。
初夏。深い溜め息をついた綜瑠は外を見た。
…
見慣れた風景が今日も広がっている。世界は何一つ変わっていない。快晴。
随分長いあいだ、夢をみていたのか…タオルを取り、浴室に滑り込んだ。
音は無かった。静かな時間だけが回っていると思っていた。森閑な空気、斜めにさしこむ光が辺り一面に輝きを与えていた。
軽めの朝食、上は古着屋で買ったTシャツ、時計。
変わらない。
時間に気付いた時から全ては始まっていた。今も、これからずっと先のことも…
電車の任意に聞こえる音の連続に適度な安心感を覚え、いつも降りる駅で降り、いつも寄るコンビニに寄る。授業は定刻に始まり、いつもの先生の声が聞こえ、なにやら意味不明な理論や定義について熱を注いでいる。
時として人間はその人生について深く考える。今自分がそうなのだろう。この世の恒久な輪廻とそれを取り巻く運命と言う名の歯車が互いに引力で強く結びついている。
今この瞬間においても。。。
すべては無常なのだろうか。健も変わってしまった。李癒もあの事件をきっかけに…
無夢もあの頃は埴輪だったのに、今では有田焼に。変わり過ぎだと思った。名前を有夢に変えるのかとも。。。
でも、変わらないものもある。
『CD値を極限まで絞り込んだボディは凹凸の無い平坦なフォルム…stoicなまでにnarrow & gull…』
CD値が空気抵抗に関するものだと教えてくれた李癒…
今はFATEが良いと言う。浮気っぽくなりやがった。
今までに最も売れたのはFATEだ!!
健は言った。どこからこんな知識を得てきたのか今でさえ不思議だ。DQ5が150万枚売れたことを知っていることとは訳が違う。
もう太陽は傾きがかっていた。今日も暑い。
ハミング、何ソレ?
距離だよ、隣で健が呟いた。
平凡な毎日。ベルリンの壁。001。戻らない時間。
今日も一日が終わる。二度と繰り返されない今日。急に時間か加速し、不安と共にある種の感情の津波が震度6強の地震に伴って全てを飲み込んでしまう。
眠りに落ちるまでの時間が永遠、綜瑠は瞳を閉じた……
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