なおくん、そろそろ

2004年7月25日
「(小田)なおくん、そろそろ起きないと、遅刻しちゃうよ」

今日から新学年、新学期。幼なじみの保奈美は、
「もう子供じゃないんだし」と、何度言っても起こしに来る。

丘の上にある『蓮美台学園』で、今年から2年生になる俺たちは、
通い慣れた通学路を歩き始めた。

「直(樹)ーっ、先に行くからねっ」
脇を追い抜いていく従妹の茉理。
両親を事故で失って以来、俺−久住直(樹)−は、叔父夫婦の家に世話になっている。
当時、同居することに大反対した従妹の茉理も、この春から蓮美台学園に入学してきた。
そんなありふれた日々。……のはずが。

どさっっ

学園の屋上で昼寝を決め込んでいた俺に、空から、女の子が降ってきた。
「……祐介?」

その娘は転校生として、翌日からクラスメートになった。
しかも、俺のことを誰かと勘違いしているようだ。

ゆっくりと時は流れ、変わるものと変わらないものが、俺の周りを流れていく。
繰り返されるありふれた日々が、少しずつ、動き始める。

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